【夏の着物を涼やかに着こなすコツ】高価買取のポイントとは?
2025.08.10

夏場に着物を着るのは「暑そう」「大変そう」と思われがちですが、実は夏専用の素材や着こなし方を工夫することで、快適におしゃれを楽しむことができます。
絽や紗、麻などの通気性の良い素材を選び、帯や小物に季節感を取り入れることで、涼やかで上品な印象に。
また、近年は夏の着物にも高値がつくことがあり、買取市場でも注目されています。
今回は、夏の着物の着こなし方と、買取相場について詳しく解説していきます。
【1. 夏に着物を楽しむ魅力とは?】
着物と聞くと、格式高く、特別な日や寒い季節に着るものというイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。
しかし、実は日本には四季に応じた「季節の着物文化」があり、夏にもぴったりの着物が存在します。
とくに夏の着物には、暑さをしのぎつつ、見た目にも涼やかで洗練された雰囲気を演出できる魅力が詰まっています。
日本独自の「夏きもの」文化
古くから続く日本の気候風土に根ざした着物文化では、衣替えの習慣がありました。
6月から9月にかけては、薄物(うすもの)と呼ばれる軽やかで風通しの良い着物が主流になります。
絽(ろ)、紗(しゃ)、麻など、夏専用の素材は見た目にも涼しげで、着ている本人も、見る人も季節を感じられるのが特徴です。
とくに江戸時代には、武家や町人の間でも「夏の粋(いき)」を競うように、薄物のコーディネートを楽しむ風潮がありました。
現代でも、夏の着物は「粋さ」「涼やかさ」「上品さ」の三拍子がそろったおしゃれとして注目されています。
見た目にも涼やか、実は機能的
夏用の着物はただ見た目が涼しげなだけでなく、機能面にも優れています。
絽や紗は細かい隙間のある織り方になっており、風が通りやすく、汗を逃がしてくれる仕組み。
さらに麻素材の着物は吸湿性・放湿性に優れ、暑い日でも肌にまとわりつかず快適な着心地を保ちます。
また、帯や半衿、小物にも夏らしい工夫がこらされており、レースや絽の帯揚げ、麻の草履など、全身で涼を表現することができます。
色使いも淡いブルーやミント、白や生成りなど、涼感を感じさせる色合いが多く、見た目にも爽やかです。
暑いからこそ「着こなし力」が光る
夏の着物は、重ね着が少ない分、シンプルな構成になります。
そのため、帯の柄や小物使いなどで個性や季節感を演出することが求められます。
つまり、シンプルだからこそ、センスの差が出るのです。
「暑いのにわざわざ着物?」と感じる方もいるかもしれませんが、だからこそ着ている人の姿が一層凛と映え、周囲からの視線を集めます。
現代では浴衣をカジュアルな装いとして着る方も多いですが、絽や紗の正統派な夏着物を着こなすことで、より大人っぽく、洗練された印象を演出できます。
夏のイベントと相性抜群
夏の着物は、季節のイベントとも相性が抜群です。
例えば、花火大会や七夕、納涼会、夏の茶会など、伝統的な行事や和の雰囲気にマッチするイベントで夏着物を着ると、非日常を味わうことができます。
また、京都や金沢など和文化の色濃い地域への旅行時に着物で歩けば、旅気分も一層高まり、写真映えも抜群です。
着物レンタル店や和装カフェなどでも、夏きものの需要が高まる時期でもあります。
自分で着るだけでなく、着物姿で街を歩いたり、記念撮影をしたりと、さまざまな楽しみ方があるのも魅力です。
【2. 夏着物の種類と素材の特徴】
夏の着物を涼やかに、かつ美しく着こなすためには「素材選び」が何より重要です。
夏は湿気や汗との戦いの季節。そんな時期に快適に着物を楽しむには、通気性・吸湿性・見た目の軽やかさが求められます。
本章では、夏着物で代表的な素材とその特徴、そして帯や小物との相性について詳しく解説します。
■ 夏着物の代表素材①|絽(ろ)
絽は、夏着物の中でも定番中の定番。
経糸(たていと)の間に「すき間」を意図的に織り込んだ、透け感のある薄手の絹織物です。
風通しが良く、見た目にも涼しげなのが特徴です。
とくに訪問着や付け下げ、小紋などに用いられることが多く、上品な印象に仕上がります。
絽はフォーマルからセミフォーマルな場面に対応できるため、夏の茶会やお食事会、観劇などに適しています。
▶ポイント
・着用時期は6月〜9月上旬
・透け感が強いので、襦袢や足袋との色合わせが大切
・礼装にも対応できる格式の高さあり
■ 夏着物の代表素材②|紗(しゃ)
紗は、絽よりもさらに透け感が強く、軽やかさを極めた素材です。
撚りの強い糸を使って「からみ織り」という技法で織られており、風通しが非常に良く、まさに“空気をまとう”ような着心地です。
紗の着物は、カジュアルからセミフォーマルに向いており、夏らしさを強く表現したい方にはぴったり。
小紋や紗の紬などが人気で、帯合わせでカジュアルにも上品にも印象を変えることができます。
▶ポイント
・6月中旬〜8月下旬におすすめ
・とにかく涼しく軽い着心地
・帯や小物の見せ方で個性が出しやすい
■ 夏着物の代表素材③|麻(あさ)
麻素材の着物は、特に7〜8月の本格的な暑さに最適です。
吸水性と速乾性に優れており、汗をかいても肌にべたつきません。
また、さらっとした肌ざわりと通気性の良さが特長で、自宅でのお手入れもしやすい点も魅力です。
代表的なのは「近江上布」や「越後上布」などの高級麻着物。繊細な織りと伝統技術が評価されており、着心地の良さと美しさの両立が叶います。
▶ポイント
・家庭で洗えるものも多く、手入れが楽
・素朴でナチュラルな風合いが魅力
・主にカジュアル用途で使用される
■ その他の夏素材
・上布(じょうふ)
麻素材の中でも最高級。手織りで作られ、絹にも劣らないしなやかさがあります。高価なため希少性も高く、着物愛好家から高い評価を受けています。
・薄物の紬(つむぎ)
夏用に織られた紬は、普段着〜おしゃれ着にぴったり。さらっとした着心地で、色柄も豊富。街歩きやカフェなどにも合うカジュアルさが人気です。
■ 夏帯との組み合わせ
夏着物に合わせる帯も、もちろん「夏仕様」が基本です。代表的なのは以下の通りです。
-
絽綴れ帯
絽織で透け感のある綴れ帯。フォーマルな場にも対応。 -
紗献上帯
透け感とシャリ感があり、涼やかな印象。 -
羅(ら)帯
透け感が非常に強く、通気性も抜群。軽さが魅力。 -
麻帯
ナチュラルな風合いと軽さがあり、カジュアルにぴったり。
夏帯は見た目の涼しさだけでなく、着心地を軽くする役割も果たします。
帯締めや帯揚げも「夏用」に切り替えることで、全体に統一感と季節感が出ます。
■ 着物初心者でも取り入れやすい?
夏の着物は「透け感」があるため、インナーや下着とのバランスが難しいと感じるかもしれません。
しかし、最近では「夏用肌着」や「洗える着物」が豊富に出回っており、初心者でもトライしやすくなっています。
また、レンタルショップや着付けサービスを利用すれば、夏のイベントに気軽に和装を楽しむことも可能です。
まずは1着、涼やかな絽や紗の着物を取り入れてみるのもおすすめです。
【3. 涼しく見せる着こなしのポイント】
夏の着物は素材選びだけでなく、「どう着こなすか」も涼感に大きく影響します。
暑い季節に見た目にも快適にも感じる着こなしには、いくつかの工夫が必要です。
● 色の選び方で“涼”を演出
夏は、淡くて透明感のある色が人気です。ミントグリーン、水色、藤色、白、生成りなど、目に涼しい色を選ぶことで、見た目にも清涼感を与えます。
帯や小物も同系色で揃えると、全体にまとまりが出ます。
● 素材感を引き立てるシンプルコーデ
透け感のある絽や紗の着物は、重ねすぎないことがポイント。
涼しさを保つには、インナーも吸湿性の高い麻や綿のものを使い、通気性を確保しましょう。
インナーの色は白やベージュがベスト。派手すぎると透けてしまい、品が損なわれる場合も。
● 帯は軽やかに、帯締めは細く
夏の帯は薄く軽いものを選ぶのが鉄則。芯が入っていない羅帯や、絽の名古屋帯は締めやすくておすすめ。
帯締めは組紐の中でも細めのものや、透かし模様のあるものを選ぶと、全体に抜け感が出ます。
● 髪型や履物でも夏らしさを
アップスタイルにまとめることで首元が涼しくなり、全体のバランスもよく見えます。
履物は麻の鼻緒や畳地の草履など、足元からの通気も意識しましょう。うちわや扇子を持つのも季節感のアクセントに。
【4. シーン別・夏着物のコーディネート例】
夏の着物は、着る場面に応じたコーディネートで魅力を最大限に発揮できます。
ここでは、代表的なシーン別の着こなしをご紹介します。
● 花火大会・夏祭りに
浴衣でもOKな場ですが、絽の小紋や麻の着物なら、より上品に映えます。
帯は半幅帯で動きやすさを重視し、涼しげな髪飾りや籠バッグを合わせると夏らしさ満点です。
● 食事会や観劇に
落ち着いた色味の絽の付け下げや紗の訪問着を選びましょう。
帯は絽の袋帯や名古屋帯を使い、夏用の帯揚げ・帯締めを。
高級料亭などフォーマルな場では、着物と帯の格を揃えるのがマナーです。
● 街歩きや旅行に
麻や夏紬のカジュアルな着物に、博多織や麻帯を合わせて。
スニーカー草履や和装サンダルなどで歩きやすさも確保すると快適です。
日傘や帽子などもスタイリングに活かせます。
【5. 夏着物のメンテナンスと保管方法】
夏は汗や湿気が多いため、着物のメンテナンスは特に重要です。
美しい状態を保つための基本を押さえておきましょう。
● 着用後はすぐに風通しを
脱いだ後はすぐにハンガーに掛けて、風通しの良い場所で陰干し。
これだけでも湿気や臭いの軽減に大きな効果があります。扇風機やサーキュレーターを当てるのも有効。
● 汗抜きや丸洗いのタイミング
夏場は一度着ただけでも汗が溜まりやすいので、専門店での汗抜きをおすすめします。
頻繁に着る麻の着物などは、自宅での手洗い対応も可能ですが、絹製品はプロに任せましょう。
● 防虫・除湿の保管方法
保管時は乾燥剤や防虫剤を忘れずに。着物専用の収納袋(たとう紙)を使い、風通しの良い箪笥や衣装ケースに保管します。
年に1〜2回の虫干しも忘れずに行いましょう。
【6. 夏着物の買取相場はどうなってる?】
夏の着物は通年のものに比べて出回りが少ない分、一定の需要があり、買取価格も安定しています。
特にブランド物や人間国宝作家の夏着物は高価買取が期待できます。
● 素材別の買取相場の一例
-
絽の訪問着(未使用・証紙付き)
5,000円〜20,000円 -
紗の小紋(美品)
3,000円〜10,000円 -
麻の上布(越後・近江)
15,000円〜50,000円 -
羅の袋帯(ブランド物)
10,000円〜40,000円
状態や流行性、保存方法によっても金額は変動します。
夏着物は特に汗ジミや色焼けが出やすいため、査定の際は保管状態が重視されます。
【7. 高価買取を狙うためのポイント】
高値で売るには、いくつかの準備が鍵になります。
着物の種類や状態にかかわらず、査定前に以下のポイントを押さえておきましょう。
● 証紙・仕付け糸・タグを残しておく
着物の価値を証明する「証紙」は必須。新品未使用の仕付け糸付き、タグ付きの状態であれば、それだけで査定額が数千円以上変わることも。
● きれいにたたみ直しておく
査定前に軽くアイロンをあてたり、たとう紙に入れ直すなど、丁寧な見せ方をすることで印象が良くなり、評価が上がりやすくなります。
● 汚れやシミはプロに相談
自分でシミ抜きするよりも、プロに任せてから査定に出すほうが安心です。取れない汚れも「正直に申告する」ことで信頼につながります。
【8. どこで売るべき?おすすめの買取先の選び方】
夏着物の買取は、どこに出すかで査定額が大きく異なります。
高く売るためには「専門性」と「サービス内容」を見極めましょう。
● 着物専門の買取業者がおすすめ
リサイクルショップよりも、着物専門の買取店の方が知識があり、価値を正しく評価してもらえる傾向にあります。
特に夏物は素材や織りの知識がないと査定が難しいため、専門店を選びましょう。
● 宅配・出張・持ち込み、どれが良い?
-
宅配買取
手軽で人気。送料・査定料無料のところが多い。 -
出張買取
大量の場合におすすめ。査定員の対応品質がカギ。 -
店舗持ち込み
即現金化できるが、近場に店舗がないと不便。
【9. 夏の着物は着こなしも買取も工夫が大切】
夏の着物は、季節を感じる和の装いとしてだけでなく、素材・着こなし・手入れ・売却に至るまで、奥深い魅力が詰まっています。
涼やかに見せる工夫を凝らし、イベントや日常の中に上手に取り入れることで、ワンランク上のおしゃれを楽しむことができます。
さらに、適切に保管しておけば、不要になったときにもしっかりとした価値で買取してもらうことも可能です。
夏の着物こそ、「着る楽しみ」と「売る準備」を両立することで、資産価値としても輝く一着になるのです。
夏用着物の出張買取は高価買取専門店【戎堂】にお任せください
引用元:【戎堂】公式サイト
大阪・兵庫・京都・奈良・和歌山・滋賀・福井での夏用着物の出張買取は着物の高価買取専門店【戎堂】にお任せください!
1件1件丁寧に、経験と知識が豊富な査定士の確かな目利きで、価値ある品を見極め高価買取いたします。
戎堂なら状態の悪いモノ、他店で買取不可とされてしまったモノでも買取いたします。出張費は完全無料のため、まずはお気軽にお問合せください。