【着物・帯で高値がつく条件とは?】見落としがちなポイントも解説
2025.08.03

着物や帯を売りたいけれど「どれが高く売れるの?」「買取価格の差は何で決まるの?」と疑問に思っていませんか?
この記事では、査定で高評価されやすい着物や帯の具体的な特徴を、専門店の視点からわかりやすく解説します。
保管状態や証紙の有無、産地や作家など、査定アップの重要ポイントを事前に押さえておくことで、買取価格に大きな差が出ることも。
初めての方も、この記事を読めば安心して着物の査定に出せるようになります。
1. 着物と帯の買取価格はどう決まる?
着物や帯を売ろうと考えたとき、「どのくらいの価格で買い取ってもらえるのか?」は誰もが気になるポイントです。
実は、着物や帯の買取価格は、いくつかの基準によって総合的に判断されます。
ただ単に古いから安い、新しいから高いというわけではありません。
では、具体的にどのような点が価格に影響するのでしょうか。
注目されるのは「種類」と「素材」
最初に見られるのは、着物や帯の「種類」です。
振袖や訪問着、留袖などフォーマル用途の着物は、比較的需要が高くなりやすい傾向があります。
また、帯も袋帯や名古屋帯など、用途や格式によって価値が変わります。
さらに、「素材」も非常に重要な評価基準です。
絹100%の正絹は最も評価されやすく、ウールやポリエステルといった化繊素材のものは評価が低くなる場合が多いです。
状態の良し悪しは査定額に直結
次に見られるのが、保管状態です。
シミ、汚れ、カビ、変色、においなどがあると、どれだけ高級な着物でも査定額は大幅にダウンする可能性があります。
逆に、使用回数が少なく、状態が良好なものは高値が付きやすくなります。
そのため、日ごろの保管方法が非常に大切です。
防虫剤や乾燥剤を適切に使用し、湿気の少ない場所で保管することが価格に直結すると言っても過言ではありません。
作家・ブランド・産地の影響力も大きい
有名作家による作品、もしくは西陣織や大島紬、結城紬などのブランド力のある産地の品は、それだけで査定額が跳ね上がる可能性があります。
とくに証紙や落款があると、真贋の証明になるため評価が上がりやすくなります。
また、伝統工芸品としての価値が高いものは、市場でも安定した人気があり、業者側としても積極的に仕入れたいと考えるため、高価買取の対象になります。
流行や需要の変化も影響
意外と見落とされがちですが、着物にも流行があります。
たとえば、近年ではアンティーク着物やレトロ柄、モダンなデザインの小紋が若い世代に人気となっています。
そうした背景から、一部の着物は予想以上に高値がつくこともあるのです。
また、需要がある季節やイベントによっても価格が変動します。
成人式や卒業式の時期には振袖が高く売れる傾向があるなど、時期も影響してきます。
買取方法によっても価格に差が出る
最後に、買取方法にも注意が必要です。
店頭持ち込み、宅配買取、出張買取などがありますが、専門知識のある査定士がいる店舗や、着物専門の買取業者を選ぶことで、適正な価格で査定されやすくなります。
また、1点ずつ丁寧に査定してくれる業者を選ぶと、思わぬ高額査定になることも。
逆に、着物の知識がないリサイクルショップなどに持ち込むと、素材や価値が正しく評価されず、相場より安く買い取られてしまうこともあるため注意が必要です。
2. 高価買取されやすい着物の5つの特徴
着物を売る際、「どんな着物が高く売れるのか?」という疑問は多くの方が抱えるところです。
高値がつきやすい着物には、いくつかの共通する特徴があります。
ここでは、査定時にプラス評価されやすい5つのポイントをご紹介します。
① 正絹(しょうけん)であること
まず、着物の素材が「正絹」であることは、高額査定の基本条件です。
正絹とは、天然の絹糸100%で織られた高級素材。
光沢としなやかさを持ち、通気性や肌触りにも優れています。
ウールやポリエステルなどの化学繊維の着物もありますが、これらはカジュアル用途と見なされるため、買取価格が大きく下がる傾向にあります。
正絹かどうかを確認するには、証紙の記載や、素材タグが参考になります。
② 有名産地やブランドの着物
着物にはさまざまな産地がありますが、特に評価が高いのが「大島紬」「結城紬」「西陣織」「牛首紬」「黄八丈」などの伝統的な織物ブランド。
これらの着物は、技術の高さと希少性から、中古市場でも需要が安定しています。
また、証紙が付いていると、正規品としての信頼性が高まり、査定額にも良い影響を与えます。
証紙が紛失している場合でも、有名産地の特徴が見られれば高値がつくこともありますが、証明書の有無は重要な判断材料となります。
③ 着用回数が少なく状態が良い
着物のコンディションは査定額に直結します。
シミ・汚れ・カビ・においがあると、どれだけ希少な品でも減額対象になってしまいます。
逆に、着用回数が1~2回程度で、シワもなく保管状態が良いものは、高額査定になりやすい傾向にあります。
とくに「未使用品」「仕付け糸がついたままのもの」はプレミア評価になる場合も。
普段からの丁寧な管理が価格に表れます。
④ 作家物や人間国宝の作品
着物の中には、有名作家や人間国宝による一点物の作品も存在します。
たとえば、森口華弘、羽田登喜男、久保田一竹といった著名作家の着物は、希少価値が非常に高く、数十万円以上の査定がつくこともあります。
これらは着物としての実用性に加え、美術品としての価値も評価されるため、コレクター需要も高く、相場が安定しています。
落款(らっかん)や鑑定書があると、さらに高評価を得られるでしょう。
⑤ 現代的で人気のあるデザイン
最後に見逃せないのが、デザイン性。昔ながらの古典柄も根強い人気がありますが、近年はレトロモダンな柄や、洋服にも合わせやすいスタイリッシュな小紋などが若い世代に人気です。
現代的な色使いや柄の着物はレンタルや再販市場でも需要が高く、高額で取引される傾向があります。
たとえば、くすみカラー、ポップな配色、大胆な柄などは、若者向けの市場で重宝されるため、価格も上がりやすくなります。
3. 高価買取されやすい帯の5つの特徴
着物と同様に、帯も種類や状態によって買取価格が大きく変わります。
とくに帯は、着物以上にトレンドや用途に左右されやすいアイテムでもあります。
では、どのような帯が高く評価されやすいのでしょうか?
ここでは、買取価格が上がりやすい帯の特徴を5つに分けてご紹介します。
① 袋帯や名古屋帯など格式の高い帯
まず重要なのが帯の「種類」です。
中でも袋帯(ふくろおび)や名古屋帯は、高価買取されやすい代表格です。
袋帯は、フォーマルなシーンに使われる最も格式高い帯で、豪華な織りや刺繍が施されていることが多く、素材やデザインによっては数万円以上で取引されることも。
名古屋帯も準礼装やお洒落着用として人気があり、需要が安定しています。
一方で、半幅帯や作り帯などカジュアル用途の帯は、どうしても相場が低くなりがちです。
② 西陣織や博多織などの伝統織物
産地やブランドも、帯の買取価格を左右する大きな要素です。
中でも西陣織(京都)や博多織(福岡)は、古くから高級帯として知られており、現在でも価値が高く評価されています。
とくに西陣織の帯は、金糸や銀糸を使った緻密な文様や格調高いデザインが特徴。
証紙が添えられている場合は、それだけで信頼性が高まり、査定額がアップします。
博多織は帯締めのしやすさや締め心地の良さから、実用性と美しさを兼ね備えた人気帯として、中古市場でも根強い支持を得ています。
③ 使用感が少なく保存状態が良好
やはり帯の状態も買取価格に直結します。
特に帯は、着物よりもシミやスレが目立ちやすいため、少しの汚れや劣化がマイナス評価の対象になりやすいです。
高く買い取ってもらえる帯は、次のような特徴があります。
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折りジワが少ない
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シミや変色がない
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カビやにおいがない
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保管用のたとう紙や帯袋に入っていた
また、帯芯にヨレがないかもチェックポイントのひとつです。着用回数が少ないほど価値は高くなります。
④ デザイン性が高く需要のある柄
帯の買取価格において、デザインも非常に重要です。
現代の着物ユーザーが好む柄や配色であれば、リユース市場でも人気があり、査定額は上がる傾向にあります。
特に以下のようなデザインは高評価されやすいです。
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古典的で品格のある柄(唐草・花鳥風月など)
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モダンな意匠(抽象模様・北欧風デザインなど)
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シーズン問わず使用できる落ち着いた色合い
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若い世代に人気のポップでレトロな柄
反対に、あまりに個性的すぎる柄や時代を感じるデザインは、需要が限られるため買取価格も控えめになることがあります。
⑤ 有名作家や老舗メーカーの帯
最後に注目したいのが、作家物や有名メーカー製の帯です。
たとえば、となみ織物、川島織物、龍村美術織物などの老舗は、それ自体がブランド価値を持ち、他の帯よりも高く評価されやすくなります。
また、著名作家による手織りや染めの帯も、美術品としての価値が評価されるため、査定額が高騰することもあります。
落款やブランドネーム、証紙があると真贋がはっきりするため、査定において非常に有利です。
帯は着物と同じく、素材・産地・状態・デザイン・作家性といった複数の要素が絡み合って価格が決まります。
売却前には、こうしたポイントを押さえておくことで、より高値での買取が期待できます。
4. 人気の産地と織物ブランド|相場が安定して高い理由
着物や帯の世界では、「どこで作られたか」が価値を大きく左右します。
とくに伝統的な技術を受け継ぐ産地や有名ブランドは、市場でも信頼性が高く、買取価格も安定しています。
ここでは、中古市場でも高値がつきやすい代表的な産地やブランドをご紹介しながら、その理由をわかりやすく解説します。
大島紬(鹿児島・奄美大島)|精緻な絣と軽さで人気
大島紬(おおしまつむぎ)は、奄美大島や鹿児島県を中心に生産されている織物で、日本三大紬のひとつ。
絣模様(かすりもよう)を織り出すために、糸の段階で模様を設計してから織るという高い技術が必要とされます。
染色には泥染めや藍染めが使われ、渋く落ち着いた色味が特徴。
また、軽くて丈夫なため、普段着から外出着まで幅広く使えます。
大島紬はその完成度の高さと職人技術が評価され、証紙付きで状態が良いものは常に高価買取の対象です。
結城紬(茨城・栃木)|手紡ぎ・手織りの最高峰
結城紬(ゆうきつむぎ)は、茨城県結城市や栃木県小山市で生産される、こちらも日本三大紬のひとつです。
最大の特徴は、真綿(まわた)から手で紡いだ糸を使い、全行程を手作業で仕上げるという点。
その工程数の多さと繊細な仕上がりは、まさに“着物界の芸術品”。
ユネスコ無形文化遺産にも登録されており、そのブランド力と希少性から、状態が良いものや証紙付きのものは高く評価され続けています。
西陣織(京都)|格式高い帯の代表格
西陣織(にしじんおり)は、京都市北区西陣地域で作られる織物で、主に帯に使われることが多い高級ブランドです。
金糸銀糸を使用した豪華絢爛な文様が特徴で、礼装用の袋帯として多くの場で愛用されています。
その精緻な技術と、重厚感のある仕上がりは、成人式や結婚式などフォーマルシーンでの需要が根強く、常に安定した相場で取引されています。
西陣織の証紙があるものは、特に買取価格が高騰しやすい傾向があります。
牛首紬(石川県)|強さと光沢を兼ね備える名品
牛首紬(うしくびつむぎ)は、石川県白山市の白峰地区で生産されている紬織物で、緯糸に玉繭(たままゆ)を使用しているのが特徴。
玉繭とは、2頭の蚕が作った異形の繭のことで、糸が絡まり強度のある糸が作られます。
そのため、牛首紬は「釘抜き紬」とも呼ばれるほど強く、しかも絹ならではの光沢感があり、着崩れしにくいのも魅力です。
生産量が非常に少なく、職人の手仕事が際立つため、中古でも高値が付きやすくなっています。
龍村美術織物・川島織物などの老舗ブランド
織物メーカーとして知られる「龍村美術織物」や「川島織物」は、ブランド力そのものが価値になります。
伝統文様の再現や新しい意匠の創出において圧倒的な評価を得ており、作品の多くは美術品に近い扱いをされます。
たとえば、龍村の帯は一点一点が芸術作品とも言える仕上がりで、保存状態が良ければ数十万円で取引されることも珍しくありません。
買取市場でも「○○製」というだけで注目される、いわば名門です。
なぜこれらの産地やブランドは相場が安定しているのか?
理由は主に以下の3点です。
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技術が高度で真似できないため、価値が下がりにくい
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中古市場での需要が一定数あり、リピーターも多い
-
証紙や落款など、価値を証明する手段が明確に残る
つまり、“本物であること”と“市場価値が持続していること”が価格を支えています。
反対に、無銘や産地不明の着物・帯は、どれほど美しくても評価されにくい場合があります。
5. 証紙・落款の有無で査定額はどう変わる?
着物や帯を売却する際、査定士がまず確認するのが「証紙」や「落款(らっかん)」の有無です。
これらは、作品の価値を証明する大切な“身分証明書”のようなもの。
高価買取を狙う上で、証紙や落款の存在は非常に重要なポイントになります。
ここでは、それぞれの意味と査定額への影響について詳しく解説します。
証紙とは?どんな役割があるのか
証紙(しょうし)とは、着物や帯が本物であることを証明する紙のこと。
伝統的工芸品や特定の産地の織物には、その品質と生産地を認定する証紙が付属しています。
たとえば、
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大島紬の「本場大島紬協同組合発行」の証紙
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西陣織の「西陣織工業組合」の証紙
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結城紬の「結城紬検査之証」
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牛首紬の「白山工房」発行の証紙
などが代表的です。
これらの証紙があることで、模造品ではなく正真正銘の本物であると証明され、査定士も自信を持って価格をつけることができます。
落款(らっかん)とは?作家物の証明
落款とは、着物や帯のどこかに記された作家の署名や印のことです。
とくに人間国宝や著名な染織作家による作品には落款が入っていることが多く、それが真作である証拠となります。
たとえば、
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羽田登喜男
-
森口華弘
-
久保田一竹
など、名前を聞くだけで価値がある作家の落款があれば、その作品は美術的価値としても扱われ、数十万円の高額査定になることもあります。
証紙や落款がある場合の査定額への影響
証紙や落款があると、査定額は1.5倍〜3倍程度上がるケースも珍しくありません。
その理由は以下のとおりです。
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真贋の確認がスムーズにできるため再販しやすい
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市場での信頼性が高く、仕入れ先としても価値がある
-
買い手が安心して購入できるため、需要が安定している
特にインターネットを通じた販売が主流になっている今、証紙付きの着物は“画像で価値を証明できる”という強みもあります。これにより、リユース市場での回転率が高く、業者にとっても仕入れメリットが大きいのです。
証紙がない場合、査定はどうなる?
「証紙がなくても売れますか?」という質問はよくあります。
結論から言えば、売れます。ただし、査定額は下がる可能性が高いです。
査定士が経験や技術で価値を判断することはできますが、証紙がないと真贋の証明が難しく、買い手にも不安が残るため、どうしても控えめな価格提示になります。
特に大島紬や結城紬などは偽物も多いため、証紙がない場合はその分慎重に査定される傾向があります。
落款や証紙があっても保存状態が悪いと評価は下がる
たとえ証紙や落款があっても、シミ・カビ・変色などの劣化が進んでいると、やはり査定額は下がってしまいます。
価値の証明と同時に、「そのまま再販できる状態かどうか」も重要な判断材料です。
また、証紙が破れていたり、部分的に欠けていたりする場合は、評価対象にならないこともあるため、できるだけ丁寧に保管しておくことが望ましいです。
証紙や落款は“価格を支える裏付け”
証紙や落款があることは、着物や帯の価値を支える大きな裏付けになります。
とくに高価買取を目指す場合、これらの有無で数万円単位の差が出ることもあります。
「これはいいものかも?」と思ったら、まず証紙が残っていないかを確認しましょう。
帯やたとう紙のポケット、桐箱などに入っていることが多いので、査定前に探しておくと良いでしょう。
6. 保管状態が与える影響|カビ・シミ・においの査定ポイント
着物や帯の査定において、見落とされがちなのが「保管状態」です。
どれだけ価値のある着物や有名ブランドの帯でも、カビやシミ、においがあるだけで、査定価格が大きく下がることも少なくありません。
実際、プロの査定士がまず確認するのは、着物の“状態”です。
ここでは、具体的にどんな点がマイナス評価になりやすいのか、そしてどのように保管すればよいのかを解説していきます。
シミ・黄ばみは目に見えて減額の対象
着物にとって、シミや黄ばみは最大の減額要因です。
とくに白地や淡い色の着物では、シミが目立ちやすく、一部分だけでも印象が大きく損なわれます。
時間が経った汚れほど落としにくいため、「長期保管=価値が下がる」原因にもなりやすいのです。
また、汗じみやファンデーションの付着も注意が必要。
特に衿や袖口などは、使用後に軽く汚れを落としておくだけでも状態維持に差が出ます。
カビの発生は大きなマイナス評価に
湿気の多い日本では、カビによるダメージも査定時に大きく影響します。
カビの胞子が繊維に入り込むと、クリーニングでも完全に除去できない場合があり、再販が難しくなります。
とくにタンスの奥で何年も保管していた着物は、気づかないうちにカビが生えているケースも。
査定の際に「カビ臭」がするだけで、減額の対象となる可能性があります。
におい(防虫剤・タバコ・香水など)もチェック対象
意外と多いのが「におい」による減額です。
長期間、防虫剤を大量に使っていた着物や、タバコ・香水の香りが染みついた着物は、再販時の購入者に敬遠される可能性が高くなります。
たとえシミがなくても、においが取れにくい場合、商品価値として大きく下がってしまうのです。
保管時は、適度な防虫対策にとどめ、強い香りのする空間での着用や保管は避けましょう。
柔らかいシワ・折れ跡も査定に影響することも
たとう紙から取り出したとき、深い折れ跡や強いシワがついている着物は、査定額が下がることがあります。
とくに正絹は繊細な素材で、長期間折りたたんだままにしていると、癖が取れにくくなります。
また、帯についても巻き方が偏っていたり、帯芯がへたっていたりすると、査定評価が落ちることがあります。
数年に一度は着物を広げて空気を通す「虫干し」を行うのが理想です。
査定前にできる簡単なケアとは?
もし、着物や帯を査定に出す予定がある場合、以下のような軽いケアを行っておくだけでも、印象が大きく変わります。
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たとう紙を新しいものに交換する
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ハンガーに掛けて風通しをよくする(陰干し)
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柔らかい布でほこりを軽く払う
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汚れが気になる箇所は、専門のクリーニングに相談
ただし、無理に自分でシミ抜きをしたり、水拭きをするのはNGです。
かえって素材を傷め、査定額が下がってしまう可能性があります。
高値で売るための保管ポイントまとめ
査定前の保管状態は、以下のような環境を心がけましょう。
-
湿気の少ない場所で保管(押し入れより桐タンスがおすすめ)
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防虫剤はにおいの強すぎないものを選ぶ
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定期的に風通しをして湿気を逃がす
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直射日光の当たらない場所で保管
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たとう紙は2〜3年ごとに交換
こうした日頃の心がけが、数年後の査定価格に大きく影響します。
着物や帯は“保管することで価値が下がる”という性質があるため、こまめなチェックと換気が非常に大切です。
7. 仕立て直しやリメイク済みは買取NG?注意点まとめ
ご自宅にある着物や帯の中には、「母から譲り受けて仕立て直したもの」「インテリアや洋服にリメイクしたもの」など、手を加えられた品もあるかもしれません。
では、そういった着物は買取対象になるのでしょうか?
この章では、仕立て直しやリメイク済みの着物・帯が買取に出せるのか、また注意すべきポイントについて詳しく解説していきます。
仕立て直した着物は基本的に買取可能
まず結論から言うと、仕立て直しをした着物は買取可能です。
寸法を変えたり裏地を替えたりしただけであれば、買取には大きな問題はありません。
ただし、以下のようなケースでは評価が変わることがあります。
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寸法が極端に小さい(着丈150cm未満など)
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裏地が劣化している、または安価な素材に交換されている
-
元の証紙や落款が失われている
仕立て直し後でも「状態が良く」「標準的なサイズ」であれば、市場での需要も高いため、十分に査定対象になります。
リメイク済みの着物は買取不可が多い
一方で、リメイク済みの着物や帯は買取不可になるケースが非常に多いです。
具体的には、以下のような加工がされているものです。
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ワンピース・スカート・ジャケット等に縫い直されたもの
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バッグ・ポーチ・クッションカバーに加工されたもの
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帯からテーブルランナーやタペストリーに変えられたもの
こうしたリメイク品は、「着物・帯」としての再販が難しく、リユース市場では取り扱いができません。
そのため、一般的な買取業者では買取対象外となることが多いのです。
一部の業者ではリメイク品専門の買取も
ただし、例外的に「リメイク着物専門」の買取業者やハンドメイド品の委託販売を行う業者であれば、相談できることもあります。
特に、帯地のクラッチバッグや和柄のリメイクドレスなど、デザイン性の高い作品は再販ルートが確立している場合も。
その場合は、作品としての完成度や仕立ての丁寧さ、使用素材の価値などが評価基準になります。
とはいえ、着物本来の市場価値とは異なるため、価格帯は数百円〜数千円程度に収まることが多いでしょう。
買取前に仕立て直しの有無は伝えた方が良い?
仕立て直しをした着物の場合、査定時に事前申告することをおすすめします。
なぜなら、仕立て直しによって元の証紙が外されている場合、元の産地や作家が不明になることがあるからです。
また、仕立て直した時期や方法がわかっていると、査定士が判断しやすくなり、結果的にスムーズな買取につながることも。
サイズ変更の程度、表地や裏地の状態など、把握できている情報はなるべく伝えておくと良いでしょう。
売却を考えるなら“加工前”がベスト
もし今後、着物や帯の売却を考えているのであれば、リメイクや加工をする前に査定を受けることを強くおすすめします。
理由は単純で、「元のまま」の方が価値を正しく評価できるからです。
特に、作家物や産地ブランド品などは、加工によって証紙やデザインが失われると、本来の価値を証明できなくなってしまいます。
たとえば、帯をテーブルランナーに変えた後では、証紙が切り離されてしまっており、再評価が難しくなってしまいます。
「使わないからリメイク」前に一度査定を
最後にお伝えしたいのは、「捨てるよりは何かに活用しよう」とリメイクを考える前に、一度査定を受けてみることです。
「もう古いし価値なんてないだろう」と思っていた着物が、数万円以上の価値があるケースも少なくありません。
また、専門店であれば、リメイクせずとも価値のある部分だけを活かす提案をしてくれることもあります。
無理に手を加える前に、プロの目で価値を確認することが、後悔のない選択につながります。
8. 作家物や人間国宝の着物|相場が跳ね上がるケースとは
着物の中には、芸術作品といえるほど高度な技術と美意識が込められた「作家物」や「人間国宝」による着物が存在します。
これらは工芸品としての価値が非常に高く、通常の着物とはまったく異なる価格帯で取引されることも珍しくありません。
この章では、作家物の定義や人間国宝の着物が高く売れる理由、そして実際に相場が跳ね上がるケースを具体的に解説していきます。
作家物の着物とは?
まず、「作家物」とは、特定の染織作家が自ら手掛けた着物や帯のことを指します。
量産品とは違い、手描き友禅や絞り染め、刺繍など、作家独自の技法や美意識が反映されているのが特徴です。
多くの場合、作家の落款(らっかん)やサインが施されており、着物のどこかにそれを見ることができます。
作品としての希少性があるため、中古市場でも非常に人気が高く、状態が良ければ数十万円の価格がつくこともあります。
人間国宝の着物とは?
「人間国宝」とは、重要無形文化財保持者に認定された人物のことです。
着物の分野では、染色や織物など、伝統的技法の継承者が該当します。
たとえば、
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森口華弘(友禅染)
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羽田登喜男(友禅染)
-
喜多川俵二(西陣織)
-
北村武資(羅・経錦)
などが代表的な人間国宝作家で、彼らの作品は着物としての実用性にとどまらず、美術工芸品としての価値を持ちます。
まさに“着るアート”とも言える存在です。
なぜ作家物や人間国宝の着物は高く売れるのか?
これらの着物が高額で取引される理由は、以下の3点に集約されます。
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希少性が高い(同じものが存在しない)
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伝統技術に基づいた丁寧な手仕事で作られている
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コレクターや茶道関係者、美術品愛好家など幅広い需要がある
さらに、証明書や作品集への掲載、百貨店での購入履歴などがあると、価値はさらに跳ね上がります。
実際にオークションや骨董市では、落款があるだけで入札数が増えるケースも見られます。
実際に相場が跳ね上がるケースとは?
例えば、以下のような条件が揃うと、相場が一気に跳ね上がることがあります。
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染色作家の一点物で保存状態が極めて良い
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人間国宝による作品で、着用歴がほとんどない
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百貨店や老舗呉服店で購入した証明書が残っている
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作家の代表作に該当し、美術展などで展示歴がある
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メディアやカタログに掲載された実績がある
このような条件を満たすと、数十万円〜百万円を超える査定になることも。とくに作家が亡くなっている場合は、作品の数が増えないため、市場価格が上昇傾向になることもあります。
落款だけでは判断が難しい場合も
ただし、「落款がある=高額」というわけではありません。
無名の作家や量産品に見られる“模倣落款”も多く存在しており、査定士の目で真贋を見極める必要があります。
また、有名作家の作品であっても、状態が悪い・証明書が欠損しているなどの理由で、思ったより査定額が伸びない場合もあります。
そのため、作家物や人間国宝の着物を売却する際は、必ず専門知識のある買取業者を選ぶことが大切です。
査定前に確認しておきたいポイント
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落款や署名があるか(着物の下前や衿裏に注目)
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購入時の証明書・箱・包み紙が残っているか
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着用歴・クリーニング歴を把握しているか
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シミ・変色・においがないか
これらを整理してから査定に出すことで、評価がスムーズになり、より高額査定が期待できます。
9. よくあるQ&A|こんな着物でも売れる?疑問にお答えします
着物の買取を検討している方からは、実にさまざまな疑問や不安の声が寄せられます。
「これは売れるの?」「状態が悪くても買い取ってもらえる?」
など、一見価値がないように思える着物や帯でも、実は思わぬ値がつくことも。
ここでは、買取現場でよくある質問にQ&A形式でお答えしながら、知っておきたいポイントをまとめました。
Q1. シミやカビがある着物は売れませんか?
A、売れる可能性はありますが、査定額は下がる可能性が高いです。
シミ・カビ・変色などのダメージは減額対象になりますが、完全に買取不可になるわけではありません。特に高級素材や作家物であれば、「お手入れ前提」として買い取られることもあります。
ただし、におい(カビ臭・タバコ臭など)が強い場合は、再販が難しくなるため、減額幅が大きくなりがちです。
Q2. サイズが小さい着物は買い取ってもらえますか?
A、小さいサイズの着物でも買取対象になります。
昔の着物は身丈や裄(ゆき)が短めであることが多く、現代の標準サイズから外れることがありますが、アンティーク着物としての需要があります。
また、リメイク素材として購入されるケースもあるため、状態や柄次第では十分に価値があります。標準サイズより査定額は下がる傾向がありますが、処分せず一度相談してみることをおすすめします。
Q3. ポリエステルなど化繊の着物は売れますか?
A、基本的には買取価格が低くなるか、買取不可となる場合もあります。
化繊の着物(ポリエステル・ウールなど)は、正絹と比べて価値が大きく異なります。とくに大量生産された既製品や家庭で洗える「洗える着物」は、中古市場での需要が少なく、買取価格がつかないこともあります。
ただし、ブランドや人気デザインのものは例外的に評価される場合もあるため、まとめて査定してもらうのが良いでしょう。
Q4. 古い着物でも売れますか?
A、年代が古くても、状態が良ければ買取可能です。
「昭和初期の着物」「祖母が使っていた古い振袖」など、古さ自体が価値になるケースもあります。とくにアンティーク市場では、個性的な柄や手仕事の技術が評価されることも。
ただし、状態が悪いと値が付きにくいため、保存状態によって結果は大きく左右されます。
Q5. リメイクした着物や帯は売れませんか?
A、多くの業者では買取対象外になります。
ワンピースやバッグなどにリメイクされた着物は、「着物」としての再販ができないため、通常の買取店では取り扱いが難しいのが実情です。
ただし、リメイク品専門のショップや委託販売を受け付けている業者では取り扱ってもらえる可能性もあります。別途ご相談をおすすめします。
Q6. 着物以外の和装小物も買い取ってもらえますか?
A、帯締め・帯揚げ・草履・バッグなども買取対象になる場合があります。
和装小物もまとめて査定できる店舗では、一括買取が可能です。ただし、使用感が強かったり汚れがあるものは対象外となることもあります。
未使用品や、和装バッグなどのブランド物は、意外に高く評価されることもありますので、一度チェックしてみる価値はあります。
Q7. 証紙がなくても査定はしてもらえますか?
A、もちろん査定可能です。ただし、価格に影響することがあります。
証紙や落款がない場合でも、プロの査定士が目視で素材や技法を判断します。しかし、証明書があるほうが「正当な価値」として評価しやすいため、査定額が上がる可能性は高くなります。
もし証紙を保管している場合は、着物と一緒に出すようにしましょう。
Q8. 査定だけでもお願いできますか?キャンセル料はかかりますか?
A、多くの業者では無料査定・キャンセル無料です。
「とりあえず価格だけ知りたい」という方でも、気軽に利用できる業者が増えています。出張・宅配・店頭いずれの方法でも、事前に確認しておけば安心です。
強引な勧誘がない業者を選ぶことで、気持ちよく査定・売却ができます。
10. 買取で損しないための事前チェックリストとおすすめの売却方法
着物や帯を売るとき、「知らなかった」では損をしてしまうことがあります。
買取価格は、事前の準備や業者選びで大きく差が出るため、できる限りの対策をしてから査定に臨むことが大切です。
この章では、買取で損しないために確認しておきたいポイントをチェックリスト形式でまとめ、さらにおすすめの売却方法についてもご紹介します。
買取前の事前チェックリスト
以下の項目を確認することで、査定アップやスムーズな買取につながります。
✅ 証紙や落款は残っているか?
→ 証紙・落款があると本物の証明になり、査定額が上がります。
✅ 保管状態は良好か?
→ カビ・シミ・においなどがないか確認し、軽く風通ししておくと印象が良くなります。
✅ 着用歴・購入時期は把握しているか?
→ 使用回数が少ないことを伝えられると、再販価値が高く評価されることも。
✅ サイズ(身丈・裄など)を測っているか?
→ 標準サイズは需要があるため、事前にサイズを伝えておくと査定がスムーズ。
✅ まとめて査定に出せるものはないか?
→ 帯や小物もまとめて出すと、トータル査定で価格アップする場合があります。
✅ たとう紙や箱など付属品は揃っているか?
→ 箱・購入時の証明書・反物の切れ端などがあると信頼性が高まります。
✅ リメイクや仕立て直しの有無を把握しているか?
→ 査定前に伝えておくことで、正しく価値を見てもらえます。
買取で損しないためのおすすめの売却方法
買取方法にはいくつか種類があります。それぞれのメリットと注意点を見ていきましょう。
1. 着物専門の買取業者に依頼する
最もおすすめなのは、着物専門の買取業者に依頼することです。
リサイクルショップや総合買取店では、素材や価値を正しく判断できない場合があり、相場よりも低い査定になるリスクがあります。
着物専門店なら、産地・作家・技法などの知識を持った査定士が在籍しており、適正価格で評価してもらえる可能性が高まります。
2. 出張買取を活用する
枚数が多い方や重くて持ち込めない方には、出張買取が便利です。
自宅に査定士が来てくれるため、梱包や輸送の手間がありません。
その場で査定・買取まで完了するケースも多く、忙しい方にも向いています。
キャンセル料がかからない業者を選ぶと安心です。
3. 宅配買取を利用する
遠方に住んでいる場合や時間をかけずに売却したい方には、宅配買取も有力な選択肢です。
無料キットに着物を詰めて送るだけで査定してもらえるため、手間なく完結します。
ただし、送料・返送料が自己負担になる業者もあるため、事前に確認しておきましょう。
4. 店頭買取で即現金化
急ぎで現金化したい場合や、自分で査定士と相談したい方には、店頭買取が向いています。
対面でのやりとりができるため、価格交渉がしやすく、納得して売却できるメリットがあります。
ただし、持ち運びが大変な場合は無理をせず、出張・宅配との併用も検討してみましょう。
5. フリマ・オークション販売は注意が必要
着物に詳しい方の中には、自分でメルカリやヤフオクなどで販売しようと考える方もいます。
確かに高く売れる可能性はありますが、以下のようなリスクも伴います。
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商品説明やサイズ表記の手間がかかる
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クレームや返品対応のストレスがある
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素材や真贋に関するトラブルが発生する可能性
少しでも不安がある方は、やはりプロに任せるのが安心です。
準備と業者選びが価格に直結
着物や帯の買取で損をしないためには、「事前準備」と「業者選び」が何よりも重要です。
少しの工夫と意識で、査定額が数千円〜数万円変わることも珍しくありません。
売却を考えている方は、まずは状態を確認し、信頼できる専門店で無料査定を受けてみることをおすすめします。
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引用元:【戎堂】公式サイト
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