【買取されやすい着物の特徴とは?】高く売れる条件と査定のポイント
2025.11.09
着物の買取を検討している方にとって、「どんな着物が高く売れるのか?」は気になるところです。
実は、同じ着物でも状態や種類、証紙の有無、需要の高さによって査定額は大きく変わります。
本記事では、一般的に買取されやすい着物の特徴と、少しでも高く売るためのポイントを詳しく解説します。
着物の売却を検討中の方は、査定前にぜひ参考にしてください。
買取されやすい着物の基本条件とは?

着物の買取価格は、一見すると専門的な知識がなければ予想しづらいものですが、実は多くの査定士が共通して見る「基本条件」が存在します。
この条件を理解しておくことで、自分が持っている着物がどの程度の価値を持つのか、ある程度予測できるようになります。
ここでは、一般的に買取されやすい着物に共通する条件を整理してご紹介します。
需要の高い種類であること
買取されやすい着物の第一条件は「需要があること」です。
着物には振袖・訪問着・留袖・色無地・小紋など様々な種類がありますが、その中でも特に需要が高いのは、フォーマルな場面で使える着物です。
例えば、結婚式や成人式、入学式・卒業式などで着用できる振袖や訪問着、留袖は、比較的買取価格が付きやすい傾向があります。
逆に、普段着やカジュアル用の着物は流通量が多く、需要が限られるため査定額が低くなりやすいです。
状態が良好であること
どんなに高級な着物でも、シミ・カビ・変色・ほつれなどのダメージがあると査定額は下がります。
特に絹素材は湿気や光に弱く、保管環境によって状態が大きく変わります。
買取店では新品同様か、それに近い状態の着物ほど評価が高くなるため、長期間保管していた場合でもお手入れやクリーニングをしてから査定に出すことが重要です。
証紙やタグ、付属品が揃っていること
有名産地やブランドの着物の場合、証紙や反物の端布(耳)などの付属品があるかどうかで価値が大きく変わります。
証紙は産地や織元の正規品であることを証明する大切な書類であり、査定士が真贋を判断するうえで欠かせません。
例えば、大島紬や結城紬、西陣織の帯などは、証紙があることで市場価値が明確になり、買取価格が上がるケースが多くあります。
サイズが需要に合っていること
着物は仕立て直しが可能ですが、やはり標準サイズに近いものの方が需要が高くなります。
身長150cm台〜160cm台の人が着られるサイズ感の着物は、中古市場でも人気が高く、スムーズに売れる傾向があります。
極端に小さい、または大きいサイズの着物は買い手が限られるため、買取額が下がることがあります。
流行や季節に合っていること
着物もファッションの一部であり、流行や季節によって需要が変化します。
例えば、夏場であれば絽や紗、麻素材の夏着物、秋冬であれば袷の着物や帯が人気です。
また、色柄も流行に左右されることがあります。
近年では淡いトーンやモダンな柄が人気ですが、古典柄も根強い需要があります。
作家物・ブランド品であること
有名作家やブランドが手がけた着物は、それだけで市場価値が高くなります。
人間国宝の作家や、著名な染織家による作品は、芸術品としての価値も評価され、高額買取につながるケースがあります。
買取されやすい着物には、「需要がある種類」「状態が良い」「証紙や付属品が揃っている」「サイズが標準的」「季節や流行に合っている」「作家物・ブランド品」といった共通点があります。
これらの条件を満たす着物は、中古市場でも人気が高く、買取価格も安定して高めになります。
もし複数の条件を満たしている場合は、査定額がさらに上がる可能性があります。
人気の高い産地・ブランドの着物

着物の買取市場では、産地やブランドの知名度が査定額に大きな影響を与えます。
特に、日本各地に受け継がれてきた伝統工芸品や有名作家の作品は、中古市場でも需要が高く、安定して高値がつく傾向があります。
ここでは、一般的に人気が高く、買取されやすい代表的な産地やブランドを紹介します。
大島紬(鹿児島県)
大島紬は、しなやかで軽く、光沢のある美しい絹織物です。
特に泥染めによる深い黒や落ち着いた色合いは、大人の着物ファンから高い評価を得ています。
耐久性があり、着崩れしにくいため、中古市場でも人気があります。
本場奄美大島紬や本場大島紬の証紙付きであれば、状態が良ければ数十万円の査定が付くこともあります。
結城紬(茨城県・栃木県)
結城紬は、手紬糸を使用した温かみのある風合いが特徴。
国の重要無形文化財にも指定されており、製造工程のほとんどが手作業で行われるため、生産量が限られています。
結城紬の中でも「本場結城紬」かつ「重要無形文化財指定品」は特に希少価値が高く、買取額も非常に高くなります。
西陣織(京都府)
西陣織は帯の最高峰ともいわれる織物で、豪華で緻密な文様が魅力です。
特に袋帯や名古屋帯は需要が高く、訪問着や留袖と合わせて売るとセット査定で高額になりやすい傾向があります。
西陣織工業組合の証紙番号がついた正規品は市場でも信頼度が高く、状態が良ければ高値買取が期待できます。
加賀友禅(石川県)
加賀友禅は、自然の草花や風景を繊細に描いた優雅な染め着物です。
落ち着いた色合いと上品な柄行きで、幅広い世代に支持されています。
特に有名作家の加賀友禅や、落款入りの訪問着・留袖は中古市場での需要が高く、査定額も安定して高い傾向にあります。
京友禅(京都府)
京友禅は、華やかで多彩な色彩と金彩加工が魅力。
振袖や留袖に多く使われ、成人式や結婚式需要で根強い人気があります。
熟練の職人による手描き友禅は希少性が高く、ブランドや作家名が明確であれば査定額もアップします。
その他の人気産地・ブランド例
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牛首紬(石川県) … 丈夫で光沢があり、希少性の高い織物。
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塩沢紬(新潟県) … 涼やかな風合いが特徴で、夏着物として人気。
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久米島紬(沖縄県) … 草木染めによる独特の色合いが魅力。
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紅型(沖縄県) … 華やかで南国らしい色彩が特徴の染め技法。
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本塩沢・夏塩沢(新潟県) … 夏物として需要が高く、軽やかな着心地が好評。
ブランド力が高い着物の特徴
人気ブランドや産地の着物は、「品質の高さ」「希少性」「デザイン性」が揃っているため、国内外で需要があります。
また、伝統的な技法や意匠は長く価値が落ちにくく、リユース市場でも安定した取引が行われます。
加えて、海外の着物ファンやコレクターからも注目されるため、査定額が想像以上に高くなるケースもあります。
証紙や作家名があるとさらに有利
人気産地やブランド品の着物は、証紙や落款があることで正規品であることが証明できるため、査定士からの信頼度が一気に高まります。
逆に、証紙やタグがない場合は真贋の確認に時間がかかり、価値が正しく評価されない可能性があります。
買取されやすい着物の中でも、大島紬・結城紬・西陣織・加賀友禅・京友禅といった有名産地の品は、中古市場でも人気が高く、高額買取が期待できます。
これらの産地やブランドの着物を売る際は、証紙や付属品を揃え、できるだけ良好な状態で査定に出すことがポイントです。
証紙や落款がある着物の価値

着物を売る際、査定士が必ず確認するポイントの一つが「証紙」や「落款(らっかん)」の有無です。
これらは着物の価値を裏付ける重要な証明書類や印であり、有無によって査定額が大きく変わります。
特に高額買取を狙うなら、この2つの存在は欠かせません。
証紙とは?
証紙とは、その着物が正規の産地・織元で作られた本物であることを証明する紙のことです。
多くの場合、反物の端に縫い付けられた状態や、反物と一緒に保管されているケースが一般的です。
有名産地やブランドの場合、この証紙があるかどうかで信頼性が大きく変わります。
例えば、本場大島紬・本場結城紬・西陣織などは、証紙がなければ「本物」としての査定が難しくなり、結果的に買取価格が大幅に下がる可能性があります。
落款とは?
落款は、作家や職人が自らの作品に押すサインや印のことです。
絵画や書道にも使われますが、着物の場合は染めの隅や裏地部分に入っていることが多いです。
特に友禅染や作家物の着物では、落款があることで「誰が作った作品なのか」が明確になり、価値が一気に上がります。
著名な染色家や人間国宝クラスの作家物は、落款があるだけで数十万円以上の査定額になることも珍しくありません。
証紙・落款がある着物が高く評価される理由
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真贋の確認が容易になる
証紙や落款があると、その着物が正規品であることが明確になります。
査定士にとっても確認がスムーズになり、安心して高額査定が出せます。 -
市場価値が安定している
人気産地や有名作家の作品は、中古市場での取引価格が安定しています。
証紙や落款があることで再販時の信頼性も高まり、買い手が付きやすくなります。 -
コレクター需要に対応できる
証紙や落款が揃った着物は、コレクションとしても価値が高く、国内外の着物愛好家から需要があります。
証紙や落款を失くした場合の影響
証紙や落款がない場合でも買取は可能ですが、同じ品質・同じデザインの着物でも査定額が下がる傾向にあります。
場合によっては、価値が半分以下になることもあります。
特に有名産地やブランドの着物は、証紙がないだけで「類似品」と判断される可能性があるため注意が必要です。
証紙や落款を保管するコツ
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反物や仕立て済みの着物と一緒に保管する
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防虫剤や湿気対策をしながら保存
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査定や売却の予定がなくても、必ずセットで保管しておく
こうすることで、売却時にスムーズに提示でき、査定額アップにつながります。
高額査定が期待できる例
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本場大島紬(証紙付き・泥染め・新品同様)
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本場結城紬(重要無形文化財・手紬糸・落款入り)
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加賀友禅(有名作家・落款入り)
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西陣織の袋帯(西陣織工業組合証紙付き)
これらは証紙や落款の有無で査定額が数倍変わることもあります。
証紙や落款は、着物の「価値を保証する身分証明書」のような存在です。
特に有名産地や作家物では、その有無が査定額に直結します。
売却を考えている場合は、必ず証紙や落款を揃えて査定に出すことで、より高額な買取が期待できます。
状態が良い着物が高評価される理由

着物の買取額を左右する大きな要素のひとつが「状態」です。
どんなに有名産地や人気作家の作品であっても、状態が悪ければ査定額は大きく下がります。
逆に、無名の着物でも状態が極めて良ければ、思わぬ高値が付くこともあります。
ここでは、状態が良い着物が高評価される理由と、具体的なチェックポイントを解説します。
なぜ状態の良さが重要なのか
中古市場では、購入者はなるべく「そのまま着られる状態」の着物を求めます。
シミやカビ、色あせ、ほつれがあると、購入後にクリーニングや仕立て直しが必要になり、その分の費用や手間がかかります。
こうしたマイナス要素は、査定時に大きく減額される原因になります。
査定士にとっても、状態が良い着物は再販しやすく、買い手がすぐにつくため、高額査定を出しやすいのです。
高評価につながる具体的な状態の条件
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シミ・汚れがない
特に衿や袖口、裾は汚れやすいため、ここがきれいな状態であることが重要です。 -
カビや虫食いがない
湿気や長期保管で発生しやすいカビや虫食いは、大きな減額ポイントになります。 -
色あせや変色がない
直射日光や蛍光灯の下で長期間保管すると、色が褪せやすくなります。 -
仕立てや縫製がしっかりしている
縫い目のほつれや生地の伸びがないことが理想です。 -
においがない
保管中の防虫剤や湿気によるにおいも、買い手によっては敬遠されます。
未使用品・しつけ糸付きは特に有利
しつけ糸がついたままの未使用品は、状態が非常に良く、査定士から高く評価されます。
新品同様であれば、購入希望者も多く、高額査定につながります。
特にフォーマル着物やブランド品では、未使用品は数十万円単位の査定が付くこともあります。
状態が良いとどれくらい査定額が変わる?
同じ大島紬でも、未使用で証紙付きのものと、シミや色あせがあるものでは、査定額に数倍の差が出ることがあります。
例えば、状態良好な品が10万円の査定額だった場合、同等品でもシミやカビがあると2〜3万円程度に下がることも珍しくありません。
状態を良く保つための保管方法
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風通しの良い場所で保管する
湿気がこもらないよう、桐箪笥や着物専用の保管ケースがおすすめです。 -
定期的に虫干しをする
年に1〜2回は晴れた日に風を通し、湿気やカビを防ぎます。 -
直射日光を避ける
色あせ防止のため、日光や蛍光灯の光が直接当たらない場所に保管します。 -
適切な防虫剤を使用する
防虫剤は直接着物に触れないように置き、におい移りにも注意します。
状態が良い着物は、査定士にとっても再販しやすく、購入者にとっても魅力的なため、高額査定の大きな要因となります。
特に、シミやカビのない清潔な状態、色あせのない鮮やかな色合い、仕立てのしっかりした品は評価が高くなります。
売却を考えている方は、保管環境を見直し、できるだけ良い状態で査定に出すことが重要です。
季節や流行で需要が変わる着物

着物は、四季の移ろいや行事に合わせて楽しむ伝統文化の一部です。
そのため、中古市場でも季節や流行によって需要が大きく変化します。
買取額も需要の高い時期やトレンドに沿った品ほど高くなりやすいため、売却タイミングを見極めることは重要です。
ここでは、季節ごとの需要傾向や流行の影響について詳しく解説します。
季節による需要の変化
春(3〜5月)
春は卒業式・入学式、結婚式シーズンで、訪問着・色無地・付け下げなどのフォーマル着物が人気です。
桜や春草などの柄、淡いピンクや水色などの柔らかい色合いの着物が好まれます。
3月に向けて需要が高まるため、2月中の売却が高額査定の狙い目です。
夏(6〜8月)
夏は絽・紗・麻素材などの夏着物や薄物が需要の中心です。
また、浴衣もこの時期に多く流通します。
特にブランド浴衣や有名染匠の浴衣は高値がつくこともあります。
夏物はシーズン直前に売ることで、買取額が上がりやすくなります。
秋(9〜11月)
秋は七五三や結婚式、成人式前撮りの需要があり、振袖・訪問着・留袖などが動きやすい季節です。
紅葉や菊など秋らしい柄が入った着物も人気で、落ち着いた色合いの帯や小物とセットで売ると査定がアップする傾向があります。
冬(12〜2月)
冬はお正月や成人式が中心イベントとなり、振袖や華やかな帯の需要が急増します。
特に1月の成人式直前は、振袖の買取依頼が増えるため、12月初旬までに売却すると高額査定が狙いやすくなります。
流行による需要の変化
着物の世界もファッションと同じく流行があります。近年では以下のような傾向が見られます。
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淡色・ニュアンスカラー
くすみピンク、グレーベージュ、アイスブルーなど洋服感覚で着られる色が人気。 -
レトロ柄の再ブーム
昭和レトロな大柄の花柄や幾何学模様が若い世代から注目されています。 -
モダンミックスコーデ
伝統的な着物に洋風の帯や小物を合わせるスタイルが人気上昇中。 -
インスタ映え需要
写真映えする鮮やかな色柄や大胆な配色の着物は、レンタル市場を通して需要が増加しています。
こうした流行は数年単位で変化するため、トレンドがピークのうちに売却することがポイントです。
季節・流行を踏まえた売却のタイミング
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需要期の直前に売る
季節物はシーズン直前に売却することで買取額が上がりやすくなります。 -
流行に合っている間に売る
流行色や柄は数年後には需要が落ちる可能性があるため、早めの売却がおすすめです。 -
複数枚をまとめて売る
同じシーズンで使える帯や小物とセットにすることで査定が上がるケースがあります。
着物の需要は季節や流行に大きく左右されます。
春の式典シーズン、夏の薄物や浴衣、秋の七五三や婚礼、冬の成人式といったイベント時期を意識することで、売却タイミングを最適化できます。
また、近年の流行カラーや柄も査定額に影響するため、流行がピークのうちに売ることが高額買取への近道です。
作家物や限定品の着物の査定傾向

着物の世界には、伝統工芸の匠や著名な染織作家によって手がけられた「作家物」、そして数量限定で生産された「限定品」が存在します。
これらは美術品としての価値も兼ね備えており、一般的な量産品の着物と比べて査定額が大きく跳ね上がる傾向があります。
ここでは、作家物や限定品がなぜ高額査定になりやすいのか、その理由や具体的な事例を解説します。
作家物とは?
作家物とは、著名な染色家や織物作家が、自らの意匠と技法で制作した着物や帯のことを指します。
代表的なものとしては、人間国宝(重要無形文化財保持者)の作品や、工芸展受賞歴のある作家の作品が挙げられます。
これらは制作点数が少なく、すべて一点物のため希少価値が非常に高いのが特徴です。
限定品とは?
限定品は、織元やブランドが特別企画として発表した数量限定の着物や帯を指します。
記念モデルや周年限定品などがこれにあたり、同じデザインは市場にほとんど出回らないため、コレクター需要が高まります。
高額査定につながる理由
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希少性が高い
生産数が少ないため、市場に出回る機会が限られ、欲しい人が見つかれば高値で取引されます。 -
技術力と芸術性
作家物は一点一点手作業で制作され、デザインや染めの完成度が非常に高いです。 -
ブランド価値
有名作家やブランド名は、それ自体が品質保証の役割を果たし、買取店でも高く評価されます。
高額査定が期待できる作家・ブランド例
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羽田登喜男(加賀友禅)
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木村雨山(加賀友禅)
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久保田一竹(一竹辻が花)
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志村ふくみ(紬織)
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北村武資(羅・経錦)
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山岸幸一(結城紬)
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龍村平蔵(西陣織)
これらの作家は国内外で評価が高く、状態が良ければ数十万円〜百万円単位の査定がつくこともあります。
限定品で価値が上がる条件
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発表年や限定数が明確である
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証紙や付属の説明書、箱が揃っている
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使用回数が少なく状態が良好
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人気の高いデザインや色柄
作家物や限定品を売る際の注意点
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証紙・落款の提示
真作証明として必須。査定士が確認しやすくなります。 -
付属品の保管
箱や専用袋、購入時の保証書なども揃えると査定額アップ。 -
専門知識のある買取店を選ぶ
一般的なリサイクル店では価値を正しく評価できない場合があるため、着物専門店に依頼するのが安全です。
作家物や限定品の着物は、希少性と芸術性の高さから、中古市場でも高い人気を誇ります。
特に有名作家の作品や数量限定モデルは、状態や付属品の有無によっては市場価格を大きく上回る査定額が期待できます。
売却時には証紙や落款、付属品を揃え、専門知識を持つ査定士に依頼することが高額買取への近道です。
フォーマル着物とカジュアル着物の違いと需要
着物には、結婚式や式典など特別な場で着用するフォーマル着物と、街歩きや普段使いを目的としたカジュアル着物があります。
買取市場では、この2つの種類によって需要や査定額に差が生じることが多いです。
ここでは、それぞれの特徴と需要傾向、買取のポイントを詳しく解説します。
フォーマル着物とは
フォーマル着物は、格の高い場面で着用するための礼装用着物です。
代表的な種類は以下の通りです。
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黒留袖 … 既婚女性の第一礼装。結婚式の親族や仲人が着用。
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色留袖 … 黒以外の地色の留袖。未婚・既婚問わず着用可能。
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振袖 … 未婚女性の第一礼装。成人式や披露宴などで着用。
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訪問着 … 幅広いフォーマルシーンで活躍。友人の結婚式、式典、パーティーなど。
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色無地 … 紋を付ければ準礼装として使用可能。
フォーマル着物は、中古市場でも需要が安定しており、特に状態の良い振袖や訪問着は高額買取が期待できます。
成人式や結婚式需要のある時期は、相場が上がる傾向があります。
カジュアル着物とは
カジュアル着物は、普段のお出かけや趣味の場で気軽に着用できる着物です。
代表例は以下の通りです。
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小紋 … 全体に同じ柄が配置される。街着や食事会向け。
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紬 … 大島紬、結城紬など。織物特有の素朴な風合い。
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木綿着物 … 軽くて手入れしやすい普段着。
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浴衣 … 夏祭りや花火大会などで着用。
カジュアル着物はフォーマルよりも需要が限定的で、中古市場でも値段が下がりやすい傾向があります。
ただし、大島紬や結城紬などの高級紬は例外で、状態や証紙次第で高額査定になることがあります。
需要の違い
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フォーマル着物は安定需要
結婚式、入学式、成人式などの場面で必要とされるため、年間を通して一定の需要があります。特に振袖は成人式前(11〜12月)に査定額が上がります。 -
カジュアル着物は流行や季節に左右されやすい
カジュアル着物は季節需要(浴衣は夏、大島紬は秋冬など)や流行に左右されやすく、タイミングを逃すと査定額が下がります。
買取額に影響するポイント
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フォーマル着物
・状態(シミやカビの有無)
・サイズ(標準サイズが有利)
・付属品(帯や小物とセットで査定額アップ) -
カジュアル着物
・ブランド・産地(大島紬、結城紬などは高評価)
・流行に合った色柄
・希少性(限定柄や廃盤柄は価値上昇)
セット売却で需要を高める
フォーマル・カジュアル問わず、帯や小物とセットで売却すると需要が高まり、査定額が上がる傾向があります。
特にフォーマル着物は、袋帯や草履バッグが揃っていると「すぐ着られる一式」として評価が上がります。
フォーマル着物は安定した需要があり、特に振袖や訪問着は高額査定の可能性が高いです。
一方、カジュアル着物は需要が限られますが、有名産地や高級織物は例外的に高く売れることがあります。
売却時は種類や着用シーンを意識し、需要の高まる時期を狙うことがポイントです。
セットで売ると査定が上がるケース

着物の買取では、単品よりも複数アイテムを「セット」にして売却することで査定額がアップするケースが多くあります。
特にフォーマル着物は、帯や小物と一式揃っていることで需要が高まり、中古市場でも「すぐに着られる状態」として評価されるため、高額査定につながりやすいです。
ここでは、査定額が上がるセットのパターンや理由、売却時の注意点を詳しく解説します。
セット売却で評価が上がる理由
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コーディネートが完成している
購入希望者にとって、帯や小物まで揃っているセットは、そのまま着用できるため需要が高くなります。 -
販売側の手間が減る
買取店や販売業者は、単品で揃えるよりもセットのほうが販売しやすく、在庫管理の手間も軽減できます。 -
統一感のある組み合わせが希少
特にオーダーメイドで合わせた帯や小物は、単品では手に入りにくく、セットとしての価値が上がります。
査定額アップが期待できるセット例
1. フォーマル着物一式
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着物(振袖・訪問着・留袖など)
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袋帯または名古屋帯
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帯揚げ・帯締め・重ね衿
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草履・バッグ
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長襦袢(半衿付き)
成人式用の振袖一式や、結婚式用の留袖セットなどは特に需要が高く、査定額が数万円単位で上がるケースもあります。
2. 帯と着物のペア
帯単体では価値があっても、着物と柄や色が合っている場合はセット評価されます。
特に西陣織の袋帯+訪問着の組み合わせは高評価になりやすいです。
3. 季節物のセット
夏着物(絽や紗など)と夏用帯、夏小物(絽の帯揚げや夏草履など)をまとめて売ると、シーズン需要に合わせて査定額が上がります。
4. 作家物・ブランド物のセット
有名作家や人気ブランドの着物と帯をセットで売ると、統一感や希少価値が増し、高額査定につながります。
証紙や落款も併せて提示するとさらに有利です。
セット売却のポイント
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同じシーンで使える組み合わせにする
例、結婚式用の黒留袖+袋帯+フォーマル小物一式 -
証紙や付属品をまとめて保管
証紙・タグ・購入時の箱や袋も一緒に出すと信頼性が高まります。 -
状態を揃える
着物だけが美品でも、小物が劣化していると評価が下がります。全体的に良い状態で揃えることが大切です。 -
需要が高まる時期を狙う
成人式前や式典シーズンに合わせて売却すると、より高額査定になりやすいです。
注意点
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無理に別ジャンルのアイテムをセットにしても、必ずしも査定額が上がるわけではありません。
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帯や小物が着物の格に合っていない場合は、逆に評価が下がることもあります。
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高級品は無理にセットにせず、単品で売ったほうが高くなるケースもあるため、事前に査定士と相談するのがおすすめです。
セット売却は、特にフォーマル着物やブランド着物で効果を発揮します。
帯や小物と統一感のある組み合わせにし、証紙や付属品も揃えることで、査定額が大幅にアップする可能性があります。
売却前には状態を整え、需要が高まる時期を狙ってまとめて査定に出すのがポイントです。
買取前に行うべきお手入れ・保管方法

着物の買取額は、産地やブランド、証紙の有無と同じくらい「状態」に左右されます。
特に、査定に出す前のお手入れや保管方法を工夫するだけで、査定額が数千円〜数万円変わることもあります。
ここでは、着物を少しでも高く売るために、買取前に行っておきたいお手入れと保管のコツをご紹介します。
1. シミ・汚れのチェックと対処
査定額を大きく下げる原因のひとつがシミや汚れです。
特に衿元・袖口・裾は目立ちやすい部分なので、必ず確認しましょう。
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軽い汚れ → やわらかい布で軽く拭く
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頑固な汚れ・変色 → 自宅で無理に落とさず、着物専門クリーニングに依頼
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汗ジミ → 時間が経つと黄ばみに変わるため、早めの処置が大切
無理なお手入れで生地を傷めると、かえって価値が下がるため注意が必要です。
2. カビや虫食いを防ぐ
着物は湿気や虫害に弱い繊維(絹・麻など)で作られています。
査定前には必ずカビや虫食いがないか確認し、予防措置を行いましょう。
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湿気対策 → 風通しの良い場所で陰干し(虫干し)を行う
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防虫剤 → 直接着物に触れないよう、隅に置く
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保管袋 → 不織布や着物専用たとう紙を使用
3. しわを整える
たたみジワや折れ跡は見た目の印象を損ない、査定額を下げる要因になります。
査定前には、着物を広げてしわを伸ばし、柔らかなラインを保ちましょう。
アイロンを使う場合は低温であて布をするか、専門業者に任せると安心です。
4. 証紙や付属品の準備
証紙・落款・購入時のタグや箱などは、査定時の信頼性を高めます。
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着物と一緒にまとめて保管
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たとう紙に証紙を挟んでおくと紛失防止に便利
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帯や草履バッグなどセット品も揃えて出すと加点要素に
5. においの除去
防虫剤や長期保管によるにおい、タバコや香水の香りは減額ポイントになることがあります。
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風通しの良い日陰で数時間干す
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重度の場合は専門クリーニングで脱臭
6. 保管環境を整える
査定に出すまでの間も、適切な保管環境を維持しましょう。
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桐箪笥や着物専用ケースが理想
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湿度50%前後を目安に保管
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直射日光・蛍光灯の光を避ける
7. 買取直前にやるべきチェックリスト
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シミや汚れがないか
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カビや虫食いがないか
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しわや折れ跡がないか
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証紙・付属品が揃っているか
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季節や流行に合っているか
このチェックを済ませることで、査定士の第一印象が良くなり、結果的に高額査定につながります。
着物を高く売るためには、買取前のお手入れと保管が欠かせません。
シミや汚れ、カビや虫食いを防ぎ、証紙や付属品を揃えることで査定額は大きく変わります。
査定直前には必ず状態を最終確認し、できるだけ美しい状態で査定に臨むことが、高額買取への近道です。
高く売るための買取店選びのポイント

着物を高く売るためには、どんなに品質や状態が良くても、買取店選びを間違えると査定額が下がってしまうことがあります。
同じ着物でも、査定士の知識や販売ルートによって数倍の差がつくことも珍しくありません。
ここでは、高く売るための買取店の選び方と注意点を解説します。
1. 着物専門の買取店を選ぶ
総合リサイクルショップでも着物買取は行っていますが、専門知識が不足している場合、価値が正しく評価されないことがあります。
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有名産地(大島紬、結城紬など)の証紙や作家物の落款を理解できる査定士がいる
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帯や小物も含めて総合的に評価してくれる
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季節や流行による価値の変動を把握している
専門店は販売ルートも確立しているため、相場に見合った適正価格での買取が期待できます。
2. 複数社で相見積もりを取る
着物の査定額は店舗によって差が出やすいジャンルです。
最低でも2〜3社に査定を依頼し、比較することをおすすめします。
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出張買取と持ち込み査定を両方試す
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買取価格だけでなく、対応の丁寧さや説明の分かりやすさも確認
3. 実績や口コミをチェック
公式サイトや口コミで、これまでの買取実績やお客様の声を確認しましょう。
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「作家物の買取実績が豊富」など専門性の高さがアピールされているか
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評価コメントに「説明が丁寧」「安心して任せられた」などがあるか
4. 手数料やキャンセル条件を確認
買取価格が高くても、手数料が差し引かれて実際の受取額が減るケースもあります。
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査定料・出張料・キャンセル料が無料か
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買取不成立の場合の返送料負担がどうなるか
5. 高額品は専門査定士に依頼
大島紬の最高級品、結城紬(重要無形文化財)、人間国宝の作家物などは、一般的な査定士では判断が難しいため、必ず専門知識のある査定士を指名するか、評価実績のある業者を選びましょう。
6. 販売ルートが広い業者は強い
国内だけでなく、海外需要に対応できる業者は高額査定が出やすい傾向があります。
特にヨーロッパやアジアの着物愛好家向けの販路を持つ買取店は、相場以上の価格で買い取ってくれる可能性があります。
7. 出張買取・宅配買取のメリットを活用
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出張買取 … 点数が多い場合や重い帯などを持ち運ぶ手間が省ける
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宅配買取 … 遠方でも利用可能、査定結果をゆっくり検討できる
ただし、宅配の場合は梱包時のシワや湿気対策が必要です。
8. 売却タイミングを見極める
成人式や結婚式シーズン、浴衣シーズン直前など、需要が高まる時期に合わせて買取依頼をすると、査定額が上がる傾向があります。
着物を高く売るためには、専門知識のある査定士がいる買取店を選び、複数社で比較し、需要が高まる時期を狙うことが重要です。
また、証紙や付属品を揃えておくことで査定士の信頼度が増し、価格交渉もしやすくなります。
店舗選びとタイミングを誤らなければ、大切な着物を適正価格以上で手放すことができます。
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引用元:【戎堂】公式サイト
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